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図5.2.4.6 船側波形の比較(左側:満載状態、右側1軽荷状態)

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図5.2.4.7 縦切り波形の比較(左側:満載状態、右側:軽荷状態)

 

(2)評価
本研究において構築した造波影響を考慮した流場推定法は、船型の相違による船体近傍の波紋の違いや抵抗の差が定性的にではあるが予測可能であることが分かった。ただし、波形の計算精度は船体近傍では良好であるが、船体から離れた所では、波高の減衰や位相の遅れが見られる。フルード数が低いため水面波の波長が短くなり、それに対して格子解像度が不足していることが原因と思われる。
造波影響を考慮した流場推定法は、数値安定性が悪く、計算が途中で発散するなどの問題が生じた。5.1の基礎粘性流場推定法に比べ、計算の安定性に対する格子依存性が高く、また、軽荷状態では、砕波も含んだ非定常性の強い波となることから、特に数値計算の安定性が悪い。歪みの小さい格子を作成すること、時間刻みを小さくすること、ゆるやかな加速を行う等によって、ある程度の計算の安定化を図ることも可能であるが、今後、さらに計算法そのものの改良が必要と考えられる。

 

 

 

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